進学校での部活動がもたらす効果

部活動

進学校で部活動に取り組むことをどのように考えていますか。

「日々の学習に追われる中で、部活動に時間をかける暇はない。」
「部活動に取り組むことで疲れてしまい、勉強に集中できなくなってしまう。」
「将来の進路にはあまり関係なく、無駄な時間を費やしているように感じる。」

このようなネガティブな印象を持っていませんか?

私は20年近く進学校の教員しながら、部活動の顧問監督を務めてきました。
結論から申し上げると、部活動への参加は積極的におすすめしたいと思っています。

ここでは,進学校でも部活動への参加をすすめる理由についてお伝えします。

はじめに・・・

・ある分野の学問が大好きで,独学でその学問を究めてみたい。興味が尽きることがない。
・中学時代は部活動に取り組んでいたが,高校入学を機に一念発起。
 「人生かけて行きたい大学・学部がある。」と断固たる決意があり、その決意を継続できる。
・放課後、”1時間程度”も時間をつくれない。(塾、家庭教師などのスケジュールが満載)
・「深い意味はないが、とにかく部活動はイヤだ」と決め込こんでいる。

↑ このような人には無理におすすめしませんので・・・。

「放課後1~2時間程度の時間は捻出できる。部活動には興味があるけど、勉強についていけるか不安・・・。部活動に入るか迷っている」という気持ちを持っている人向けの文章だと前置きします。

部活動をしている生徒とそうでない生徒で合格率に差がでるのか?

一概には言えません。
それぞれの人の努力次第で、合格率に差が生じることもあれば、生じないこともあります。
部活をしていても合格する者は合格するし、不合格になる者もいる。
部活をしていなくて合格する者はいるし、不合格になる者もいる。

私の務める学校では、
「部活動をしている生徒よりも部活動をしていない生徒の方が合格率がいい」というような
入試結果の相関は見られません。
(自身の通っている学校に確認してみてください。)

ちなみに、遅刻欠席が多い生徒の合格率は低いです・・・

ここからは部活動のメリットを挙げていきます。

部活動に取り組むメリットとは

社会でも役立つコミュニケーションスキル

  • 部活動には、チームワークやリーダーシップ、コミュニケーションスキルなど社会人として必要なスキルが身につけられます。

 コミュニケーション能力は、人との関わりの中で身につくものです。
 部活動の仲間は、自分と共通する考えを持っている可能性が高いです。より深いコミュニケーションがとれることになるでしょう。
 日々のコミュニケーションの中で、相手の気持ちを理解し、自分の意見を適切に伝えることが重要であり、その能力は部活動の人間関係の中で磨かれていきます。

健康維持やストレス発散

  • 勉強に追われる生徒にとって、部活動はストレス発散の場となります
  • 運動不足や偏った生活リズムを改善し、健康的な生活を送ることができます。

 遅刻、欠席が多い生徒の合格率が低くなることは先ほど申し上げましたが、そのような生徒は大概、生活リズムが不規則になっています。
 皆が部活動に取り組み、自分を磨いている時間に、スマホで動画やSNSに没頭。
夜更かし→朝寝坊→遅刻・・・。の悪循環にはまってしまう者があとを絶ちません。
 部活動に一生懸命取り組んできた生徒とスマホやゲーム中毒になった生徒では、目に見える形で差が表れます。

個性や趣味を追求できる場

  • 進学校は勉強に没頭する時間が多く、自分自身の個性や趣味を追求する時間が限られます。
    部活動によって、自分自身の個性や趣味を追求できる場があるため、自己実現につながることがあります。

 小学校時代は「クラス一の秀才」であっても、進学校の中では普通の人。
 「一人一芸」=「人より秀でた勉強以外のスキルの習得」をおすすめします。

人間関係の広がり

  • 同じ趣味や興味を持つ人と交流する場としても機能します。
  • 部活仲間とは、進学後も繋がりがあることが多く、人脈を広げることができます。

部活動に参加することで,同学年のみならず異学年との交流の場がつくられます。
学級担任以外に部活の監督という自分を成長に導く人との関わりが増えます。

同じ趣味や興味を持つ人との交流は、理屈抜きに楽しいものです。
学校生活に笑顔があること、学校に行くことが楽しくなることは学業にもプラスに働きます。

自身の成長を促すときは、たいてい苦労がつきものです。
しかし苦労を乗り越え、成長した自分には自信や自己肯定感が育まれます。

そして、喜びだけでなく苦労を分かち合った部活仲間は生涯を通じた宝物になることでしょう。

まとめ

 進学校での学業には大変なプレッシャーやストレスがつきものですが、部活に参加することはそのような環境下でも良い影響を与えてくれます。
 部活は単なる趣味ではなく、学生たちに多くのことを教えてくれます。例えば、リーダーシップ、協調性、責任感、時間管理、集中力などです。
 また、部活を通じて得られる友情は、学業面でも大きな助けとなります。
 勉強と部活を両立することは大変ですが、その経験は将来の社会人生活にも役立ちます。
 進学校でも部活動に参加することは、生徒たちが健全に成長するための重要な要素の一つ。
 積極的に取り組んでみませんか?

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